26 Sept 2011

Basically, she is the most influential artist in my life

Sylvie Guillemを見に行った。

私が5歳か6歳の時に初めて見て以来ずっと追いかけて来て、初めてあんなに近くの席で見た。最前列。

人体模型の様にとぎすまされて無駄がなくなっている脚と、痩せてもう頬と首の筋が目立ってしまう顔立ちと、足に巻かれたテーピングが、もう20年以上こうして踊り続けてきている彼女の今を私に見せつけてくる様で、なんていうか、もう「ああ、もういつかやっぱりこの人は舞台からいなくなって、この瞬間がもう本当にこの瞬間でしかなくなっちゃうんだな」と初めて突きつけられたので、私はもうなんだかあの人がずっとずっと踊り続けて、文化会館で初めて全身震えながら踊っているボレロを見たあの日みたいな気持ちをこれからの私の人生で何度かも味わえるだろうっていう様な気分だったのをぐしゃっとされて、あまりのはちきれる感じにもう涙がでてしまった。

私がまだ毎回バレエの送り迎えを母にしてもらってる頃に、NBAのバレエフェスティバルのパンフを母が買って車においてあって、毎回毎回それを音読しながら八雲まで通っていて、車中でママに読みきかせる文章のタイトルには「時代はつに、奇跡のスーパースターをうんだ」とあって、黒いキャスケットをかぶって顔をかしげたギエムの写真のページだけを何百回ってくらい音読した。ボレロを見て、でも白鳥も見て、あの人があの体で愛らしいおデットだったり怖いくらいの黒鳥を踊るのを私は文化会館で何度も見れて、きっと私は最高にラッキーだ。あの人の全盛期を、クラシックバレリーナが花開いてどんどん花粉をまきちらしてる時代を目の当たりにできて、きっとあれが私の最高のラッキーだった。
でも、私はまだ子供で、わくわくする事しかできなかったし、感動をうけとめてもそれが何なのかなんて全然1ミリもわからなかった。そして今、もう彼女は果てしなかった激動ダンス人生の終わりにさしかかってきてて、きっともうあの人の震える白鳥は見れなくくて、今あの人の体からわきあがってくる踊りを踊る時代に突入して、もう昔には全く戻るコトができない。だから私は最高に悲しいんだけど、なんかもうきっとあの人からほとばしってる才能とか感情を浴びて感無量で、あの人の前では私は何よりももう「ただのなお」な感じがする。

ママが教えてくれて一緒に見て心が震える思いをしたあの人が、もうきっと最後の道を歩き始めてて、そこには20年近い時間があって、振り返って、あの人が私に与えたものとか、あの人が世界に与えた衝撃をすいとってまた育っていった水香さんとかいろんな人たちがまた私を押し進めてくれて、私自身がなんでもなくてもあの人から私はもう人生の贅沢を抱えきれないだけもらった。

正直にいって今の私はあの人の今日の舞台を受け止められるだけの人間じゃなかった。でも、あの人のなんか最後のカーテンコールの笑顔とか、もうたまらなくて、背中を押してくれるっていうか、私はなんか、いつかこういう笑顔ができる人になりたいなあと思った。


まとまりのない支離滅裂の備忘録ですが読んで頂いた方ありがとうございます。
最近はテストが終わったり日本から友人が遊びに来てくれたり、色々充実して心に余裕のある日々なのですが、それでも、今日は今の私には大きすぎる舞台でした。
私は元気です。


日本人のkenta kojiri さんが出演されていて、素晴らしかった。私がモンテカルロ贔屓というのを差し引いて、素晴らしいダンサーです。興味のある方HPご覧下さい。
http://www.kojiri.jp/index.php